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一章の続き 



あ~~、
変なトコで斬っちまったなぁ。
次回からは気をつけよう。
つか
かなり不定期になってますが気にしないで下さい。












「ただの壁……ですね」
「ぱっと見はな」
 バルセロは万年筆を取りだし、壁のある一点を指した。
「ここに方程陣がある」
 言われた場所をアリシアは凝視する。すると、確かに淡い紫に輝く小さな文字列が見えた。
「本当だ。すごく小さいけど書いてあります」
(普通は見えないんだけどな……)
 はしゃぐアリシアの隣で、バルセロは少し考える。
(まぁ、アイツが見えるんだから……当然か)
 くるりと一度指でペンを回した。持ち直すと、書かれている文字の列に重なるよう、横線を一本引く。
 発動音が響き、文字列を中心とした円形の方程陣が出現した。それに縦に綺麗な亀裂が入る。
 ただの壁だった場所に扉が出来上がった。
「こんなもんかな……」
 バルセロは息をつく。
「凄いです! 凄いですっ!」
「ん?」
 見ると、アリシアが目を輝かせてバルセロを見ていた。
「バルセロさんって魔導師だったんですね! 私が来た時、こんな階段ありませんでしたからバルセロさんが造ったんですか?」
「あ、いや……俺は……」
 バルセロは被っている帽子の鍔を気まずそうに押さえる。
「魔導師とは、魔導学を学び魔道術を行使することを職業とし、それを国王に認められた学士の事だ」
「イリーナさん……?」
「魔導師はその技能を国の為、つまりは国王の為に使うことを誓約する。彼等はどんな場合でも個人でその力を使うことを法で禁じられている」
 少し低い位置にある琥珀の瞳と、目が合う。
 いつの間に隣に来たのだろう?
 全く気配がしなかった。
「俺は魔導師じゃあない」
 イリーナの言葉の続きを、バルセロが引き取った。
「だからこうして私的理由で方程陣を書きまくってる」
「その代わりに、バルセロが書いた方程陣は店に持っていっても売れないがな」
 それだけ言うと、イリーナはさっさと扉をくぐる。全く持って協調性は無いらしい。
「行きましょうか、バルセロさん」
「ああ」
 バルセロは足元に置いたランプを拾い上げるとアリシアと共に扉をくぐった。
「今は魔導師じゃないけどな」
「?」
「昔は魔導師だったんだよ」
「え……?」
 アリシアが言葉の真意を読みかねていると、バルセロがイリーナを呼ぶ。
「イリーナ、どうだ?」
 扉の先は、やや狭い通路になっていた。ランプの光はその端までは届かず、暗闇から声が返ってくる。イリーナは先にかなり奥まで行っているらしかった。
「ふむ! 駄目だ。何か仕掛けがあるぞ!」
「わかった」
 返事をし、バルセロは再び歩き出す。
「あの……バルセロさん、昔はって……」
「ああ……気にしないでくれ」
 あっさりと流された。しかし、一瞬だけ彼の顔に暗い影が落ちたのをアリシアは見た気がした。
 暫く歩くと、イリーナが腕を組んで待っていた。目の前には壁と同じく、石造りの重厚な扉がある。
「それか?」
 バルセロが彼女の前にある石の台座を指す。
「ああ、ちょっと見て欲しい」
 イリーナは台座に向き直ると、そこに刻まれた文字を読み上げ始めた。
「ふむ……『汝らの神の名を』……。……どうするかも書き記せ!」
「書くんだろ」
 いらつくイリーナをなだめ、バルセロは台座に降り積もった埃を払う。
「方程陣は……書いてないか」
 その横からアリシアが覗き込む。刻まれているのは現代文字とも、魔道術で使われる文字――エトリアル文字とも違う、彼女には読めない言語だった。
「これ……何文字ですか?」
「さあ?」
「さあって……」
「古代文字だから俺にも読めないし」
「え?」
 イリーナは先ほど、ごく普通に読んでいたのだが…………。
「神か……」
 アリシアの思考を遮って、イリーナが呟いた。
「フェムニーアかシェルベッタのどちらかだな」
 それなら、アリシアも知っている。
 フェムニーアは未来神、シェルベッタは過去神。ヘイムヘルレースを創った姉妹の創生神だ。ヘイムヘルレースには多数の宗教があり、その数だけ神はいるが彼女らはごく一般的に知られている。
 ヘイムヘルレースそのものが彼女らの肉体であり昼間はフェムニーア、夜はシェルベッタ。フェムニーアが生の象徴、シェルベッタが死の象徴。その為、至高神として崇められるのは主にフェムニーアだ。
「それなら、フェムニーアじゃないでしょうか?」
 シェルベッタは死を司る。好き好んで奉る者も少ないだろう。しかし、バルセロは首を振った。
「死と生は同じ場所だ。そうなると……」
 バルセロは万年筆を回す。そして、石の台座に赤いインクが文字を綴った。
「神は世界そのもの……『ヘイムヘルレース』であってるはずだ」
 赤いインクが淡い紫に色を変え、ゆっくりと薄れていく。
「……あっ」
 それが完全に消えようとした頃、イリーナが声を上げた。
「どうした?」
「『思い出した』……」
「え?」
 アリシアが首を傾げる。
「『間違えた』ぞ、バルセロ」
 その時、壁と化していた扉に深紅の方程陣が浮かんだ。
 ずりずりと音を立てながら、扉が開く。




あ、次回は少し視点が変わります。多分。


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